鈴木病院
婦人科

手術について

診察や検診によって手術が必要と判断した場合は、
患者さまへの十分な説明のもと、疾患の状態に応じ迅速に対応します。
経験豊富な婦人科医とともに、常勤の麻酔科医も最善をつくし手術に取り組んでいます。

手術の方式

当院では婦人科の一般的な開腹手術だけでなく、腹腔鏡の手術にも力を入れて行っています。症状により、あなたに最適な方法をご提案させていただきます。

主な疾患
子宮筋腫
子宮内膜症
卵巣チョコレート嚢胞
卵巣嚢腫(腫瘍)
異所性妊娠 など

腹腔鏡下手術

開腹手術に比べて手術の創が小さく、手術後のからだへの負担が比較的軽いため、回復が早いのが特徴です。また、皮膚切開創が開腹手術よりも短小なため美容的にも優れています。入院期間も短く、早期の社会的復帰により望ましい手術です。
ただし、腹腔内で行われている内容は開腹手術と一緒です。麻酔は全身麻酔となります。

主な適応疾患
子宮筋腫/子宮腺筋症
良性子宮付属器(卵巣)腫瘍
子宮内膜症
子宮外妊娠
不妊症(子宮付属器癒着、子宮内膜症など)

●手術の実際

腹腔鏡下手術は、臍部(へそ)ないしはその周囲から直径5~10mmの内視鏡(スコープ)を腹腔内に挿入し、モニター上に映し出された映像を見ながら器具を操作して行う手術です。
一般的な開腹手術は、15cm前後の皮膚切開で行いますが、腹腔鏡下手術は下図に示すような大きさの皮膚切開を 3~4箇所し行います。

スコープを挿入するための皮膚切開部位
  • スコープを挿入するための皮膚切開部位(へそ周囲)
    皮膚切開は10~30mm程度です
  • 鉗子(腹腔鏡下手術用の器具)を挿入するための皮膚切開部位
    皮膚切開は5~30mm程度です
  • 手術内容により、部位・切開長・切開数が異なります

●手術時間の目安

卵巣・卵管の場合
… 約2時間
子宮筋腫核出術・子宮全摘術
… 約3時間
  • 手術時間に加え、手術室での準備や全身麻酔の導入および覚醒時間で約1時間かかります。
  • 癒着がある場合、手術時間は約1.5~2倍に延長しますが、出血量は開腹手術に比べ少ないのが特徴です。
腹腔鏡下手術を行う医師
医療実績

手術には、特殊な器具が必要なため、対応できる施設は東海地区でも限られているのが現状です。手術を行う医師は高い技術と経験に基づいた専門の資格を持つことが求められます。
日本産科婦人科内視鏡学会において、認定を受けている「腹腔鏡技術認定医」は、全国で約700名です(2018年9月現在)。当院では、週2回この手術のために手術室を確保し、2名の認定医師が担当しています。なお当院は、日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設という技術認定育成機関です。